大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和28年(あ)2850号 決定 1953年9月30日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

被告人の上告趣意について。

所論一乃至三は、証拠の判断を争うもの、四は事実誤認の、五は法令違反又は量刑不当の主張であって、いずれも適法な上告理由とはならない。(自首減軽を与えると否とは事実審裁判所の専権に属すること原判決の説示するとおりである。)

被告人の弁護人奥野彦六の上告趣意について。

所論はいずれも判例違反の主張であるが、引用の判例はすべて本件に適切でないから適法な上告理由とならない。(本件において殺人の起訴に対し原判示の事由により刑法三八条二項を適用し同意殺人の責任を認めたからといって訴因、罰条の変更を必要とするものでないことは明らかであるし、又論旨第二点主張の各事由は刑訴三三五条二項所定の事由にあたらない。)

なお記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。

よって、同四一四条、三八六条一項三号、一八一条を適用し全裁判官一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例